
30坪のお家を建てる際のポイントは?実例も合わせてご紹介!
間取り住宅事例30坪
投稿日:2022年12月27日 更新日:2022年12月27日

目次
注文住宅を建てたいと考えた際に、やっぱり気になるのは費用面。実は、注文住宅を建築している住宅会社に「どのくらいの費用で建てられますか?」と聞いてもその場では回答ができません。なぜなら、お家の広さと間取りが決まっていないと住宅会社も費用が分からないからです。そこで、今回は30坪という広さのお家をベースに必要となる土地の広さや、どのような間取りが可能なのか?失敗談も交えご紹介していきます!
30坪の広さはどれくらい?
平方メートル換算すると99~100m2
間取り次第で様々な工夫ができますが、一般的に30坪という広さのお家は3~4人家族向けの広さになります。家の広さや土地の広さで用いる単位「㎡」「坪」ですが、計算式を覚えると誰にでも計算が可能です。坪数を求める計算式は「㎡×0.3025=坪数」。逆に「坪数÷0.3025=㎡」で平米数を出すことができます。また、家の各お部屋の広さを表す「畳」ですが、こちらは「2畳で1坪」となります。30坪の場合、99.17㎡で60畳という広さになります。会社が金額を算出する坪単価には延床面積もしくは施工面積で計算をします。延べ床面積とは、各階の床面積の合計です。ただし、吹き抜けやバルコニー、ポーチ、ロフトは延べ床面積には含まれず、それらは施工面積に含まれます。
30坪の住宅でよくある間取り
30坪の住宅でよくある間取りについてですが、4LDK の場合どうなるのかご説明します。まず、LDKが20畳程度、各居室4.5畳×3、お風呂・脱衣所で4畳、トイレが1畳、ファミリークローゼットが3畳、パントリーで1.5畳、和室が4.5畳、その他に玄関土間・ホール、シューズクローゼット、スタディースペース等で12.5畳、合計60畳=30坪の間取りになります。家族構成や理想としている間取りにもよりますが、30坪の広さがあれば様々な工夫ができます。
30坪のお家を建てるのに土地はどれくらい必要?
建てたいお家が平屋or2階建てかによって必要な土地の広さが変わります。2階建ての30坪より、平屋で30坪の方が土地の広さが必要になります。土地の建蔽率や容積率によってその土地で建てられるお家の大きさが異なるのですが、それらは都市計画法で決められている用途地域によって異なります。建蔽率とは、「敷地の何%を建物用として使えるのか?」を定めたものです。計算式は、建蔽率(%)=建築面積÷敷地面積×100です。ここでいう建築面積とは、建物を水平投影面積で見た面積と言い、簡単に言うと、上から見た面積です。平屋で考えると分かりやすいです。容積率とは「延べ床面積の敷地面積に対する割合」です。計算式は、容積率(%)=延べ床面積÷敷地面積×100です。例えば、30坪の平屋を検討する場合、建蔽率が50%、容積率が100%の場合、60坪以上の土地の広さが必要です。1階が15坪、2階が15坪の2階建てでしたら、30坪以上の土地から建築が可能です。ただし、2階建ての場合、1階、2階どちらかが大きくなってしまうと、水平投影面積が大きくなるため、建蔽率を超えてしまいますのでご注意ください。また、用途地域によっては建蔽率、容積率以外の制限も出てきます。例えば第1種または2種低層専用地域では、全ての境界から1.5mまたは1m以上の外壁後退を定められることがあります。(都市計画に定めがない場合は不適用。緩和される場合もあり)
30坪のお家実例
つづいて、実際に弊社でご建築いただいた30坪の注文住宅事例をご紹介していきます!
おしゃれで居心地の良いナチュラルテイストの2階建て
水回りをまとめて家事ラク動線を実現した間取り。キッチンと洗面台の間にあるファミリークローゼットは、どちらからもアクセスができ、家事効率もUP。リビングは家族が過ごしやすいよう約20帖の広さを確保しました。また、リビングに階段を設けたことで階段スペースを大きく設ける必要もありません。毎日家族が顔を合わせるため、家族のコミュニケーションも増えやすい間取りとなっています。また、1階には和室もあります。玄関から上がってすぐ和室にアクセスでき友人や知人が来られた際に和室へと案内ができるように考えました。2階部分は居室がメインですが、ファミリークローゼットに小屋裏収納もあるため、収納スペースもしっかりと確保しているお家です!
「美しさと機能性」を追求したモダンハウス
外観は何十年経っても飽きのこないシンプルモダンなデザインに。玄関ホールは外の光を取り入れた明るい空間となっています。シューズクロークが完備しており、ホールには手洗い器も備わっています。LDKは、22帖の広々としたLDK。お家全体を明るい空間にしたいというご要望から、光が入る南側に大きな窓を設けています。吹き抜けからも沢山の光が室内を明るく照らします。また、階段をリビングに設置したことで毎日家族と顔を合わせることができる間取りに。2階には、吹き抜けに面した書斎コーナーがあります。バルコニーは3.7帖の広さを確保し、BBQをしたりと家族で遊べる空間に。バルコニーの壁はアクリルを採用することで、開放感を感じられるようにました。
リゾート気分を味わう屋上空間のある家
縦に長いおしゃれな外観が目を引きます。近隣は住宅に囲まれつつも、高い位置から見える景色は、自然が視界いっぱいに広がっており、日常でリゾート気分を味わえるお家。1階部分には、居室がメインとなっています。LDKは2階にあり16帖という広さを確保。2階にあるため大きな窓を設けても、近隣の視線を気にすることがありません。また、太陽の明るい光がリビングを常に照らしてくれます。屋上へとつづくスケルトン階段は、階段照明と屋上から差し込む光が空間を明るく、おしゃれな雰囲気にしてくれます。屋上空間は、毎日リゾート気分を味わえるようソファやテーブルが配置されおり、家族で料理を楽しむことも、友人を招いてパーティーをすることも。普段使いのセカンド・ダイニングとしても使えます。特別な素材や固定方法により、ソファー、リクライニングチェアー、BBQグリルなどは天候によって出し入れをする必要もございません。
収納力抜群のシンプルおしゃれな平屋
屋根の先端(軒先・軒天)と玄関の外壁にアクセントとして”白”を加えた可愛らしい30坪の平屋。
玄関から上がると、すぐリビングにアクセスできる間取りです。リビングの広さは、約20帖。デザイン性・機能性に優れたグラフテクトのアイランドキッチンがとてもカッコよく、木目の下がり天井と相性が抜群。より開放感を出すためにリビング目いっぱいの大開口窓を設けました。キッチンのすぐ横には、5.6帖の広々としたファミリークローゼットが備わっています。主寝室からもアクセスできる間取りで、共働きのご夫婦におススメ。水回りは一箇所にまとめ、脱衣室からサービスヤードへ出入りもできる家事ラク動線となっています。
30坪の間取りで工夫するポイント
30坪の間取りで工夫するポイントについて解説していきます!30坪という広さは決して狭くありません。使い方次第で十分な広さにできます。
兼用を上手に用いる
まず、兼用を上手に用いることが大事です。たとえば、ランドリールームは脱衣室とランドリールームを兼用することができます。脱衣室にホスクリーンやアイアンハンガーパイプを付けることで、洗濯して干す動作が1箇所で完結させられます。また、各居室のクローゼットにおいても家族共有のファミリークローゼットにすることで一箇所に完結することもできます。その他、2階建ての場合、階段下にリビング収納やヌック(ワークスペース)、トイレを設けることで有効活用もできます。廊下が少ない間取り(あったとしても廊下兼WICLなど)でプランニングをしていくとデッドスペースを減らすことができ、無駄な費用が発生しないだけでなく、使い勝手が良いお家に仕上がります。
スタディースペースを工夫
お子様の学習スペースですが、共有部分に「スタディスペース」を設けることで、子ども部屋に勉強机のスペースを確保する必要がなくなります。つまり、子供部屋を広くしなくてもよくなるわけです。勉強を部屋でするのは小学校高学年~高校3年生くらいまで。居ない期間の方が長いので、数十年先のことを考えるとそこまで広くする必要性はありません。共有のスタディースペースは、お子様のお勉強だけでなく、例えば旦那様の読書や奥様の書き物など、使い道は多数。豆知識で、「東大生の83%がリビングで勉強していた」というリサーチ結果もあります。(出典:主婦の友社「東大脳の育て方」)ご家族の暮らし方によってスタディースペースがいらないという方もいらっしゃると思います。本当に必要なのか?一度ご家族でお話されることをおススメします!
本当に必要な広さを知る
広いLDKは誰しもが憧れますよね。しかし、掃除の手間や歩くスペースが増えるということでもあります。本当に20帖必要なのか?18帖ではダメなのか?冷静に考えてみましょう。空間の使い方や視線の抜け方で開放感をより感じさせる方法はあります。実際にモデルハウスや完成見学会に足を運んで感じてみてください。全ての部屋を大きくすると、建築費用も増え、固定資産税も高くなります。その部屋でどういった生活をしたいのか?どんな家具を置きたいのか?冷静になって考えると、本当に必要な広さを知ることができます。また、今だけでなく将来の生活まで想定をしてプランニングすることをオススメします。お子様が巣立った後や老後などの生活をイメージして間取りを考えることで本当に必要な広さや部屋数などが分かり、将来のデッドスペースを無くすことが可能です。
30坪のお家の失敗例
30坪のお家でよくある失敗例や気をつけた方がいいポイントについてご紹介します!
家具を置くと窮屈になってしまった。
事前にどのような家具を置くのか決まっているのであれば、図面の打合せをする際に伝えておく必要があります。実際に家が建った後、置きたい家具が置けないとなると買い直す必要もでてきます。また、置けたとしても「通路が狭くなった」「圧迫感を感じる」といったように、せっかく間取りを工夫したのに家具が入ってから狭く感じてしまうということも起こりえます。これらの問題は、LDKの広さを打合せする際に、ダイニングテーブルやソファはどの大きさの物を置くのかまで伝えることで解消できます。それでも心配な方は、寸法まで伝えておくとさらに安心できるでしょう。
優先順位をつけていなかった。
30坪とは限りませんが、優先順位をつけて広さや金額の話をすることが重要です。広いLDKが欲しい、広い玄関も、広いバルコニーも、広い寝室も・・・と希望だけを伝えていくと建坪が大きくなり、金額も大きくなります。一生に一度の念願のマイホームなので、理想が大きくなるのは当然です、しかし、予算には限りがあるはずです。融資承認やライフプランをされている方はご存じだと思いますが、超えてはいけない金額が必ずあります。ですので、優先順位をつけて家づくりを考えていく必要があるのです。土地を決める際や外構の打合せの際にも「優先順位」は大事になってくるので、ご家族の中でも話をしておく必要があります。
知り合いに相談して話を進める
「知り合いも3000万で建てたから3000万で」「知り合いが30坪だから30坪で」というマイホームの先輩の話は参考程度にしましょう。同じ職場でも世帯収入も違えば、生活費や他の借入、お金をかけたい箇所は違います。お家にすると、家族構成、必要な部屋数や広さ、生活スタイルは異なります。「自分たちはどれくらいの坪数が必要なのか?」「予算はどのくらいに抑えればよいのか?」それらを把握するためには、ご自身の資金計画・ライフプランをする必要があります。建った後に、「もっと抑えればよかった」「もっと予算をあげればよかった」と後悔したくないはずです。先輩たちや知り合いの話はあくまでもアドバイス。無理をせず、理想のマイホーム計画をしましょう。
30坪のお家の費用目安
30坪のお家を建てる際に一番気になるのは費用面ですよね。建物の費用を考える際に、坪単価を知る必要がございます。坪単価とは、各会社による平均単価で、ハウスメーカー・工務店でも坪単価が違ってきます。ハウスメーカーで坪単価が80~100万とした際に、建物費用は2400万~3000万円になります。工務店の坪単価は会社によって大きく変わり、60~100万など幅広いです。建築相場を知りたい方は、気になる会社に坪単価を聞いてみるといいですね。ただ、あくまでも坪単価は目安です。建物のデザインや構造・設備によって費用は変わるので注意が必要です。また家づくりの費用を「建物」と「土地」の予算だけで考えがちですが、そこが大きな落とし穴です。建てた後にかかる固定費、住宅ローンの借入費用や、不動産登記にかかるお金などさまざまな初期費用が発生します。また、土地によっては解体工事や上下水道を引き込む工事なども必要です。家づくりを考えるうえで、何にどれくらいの費用がかかるのかをきちんと把握しておくことが重要です。建てた後も無理のない生活が出来るように、自分たちにあった「資金計画」を立てましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?再度お伝えしますが、30坪という広さのお家は決して狭くはありません。工夫次第でとても快適なお家をつくることができます。限りある予算の中で、理想をカタチにするには優先順位をつけることも大事です。家づくりには選択を迫られる場面が非常に多く存在します。なかなか決めきれないという場面では、プロにご相談することが一番の近道です。後悔しないためにも、迷った際はお気軽にご相談下さい。
この記事の編集者

濱畑凱斗
宮崎市江平本社で住宅アドバイザーをしている濱畑です。今後も家づくりをお考えのお客様に役立つ情報を発信していきます。他の家づくりコラムもぜひご覧ください!